和菓子の餡(あん)になる小豆と健康とアンチエイジングのお話

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ここ半年ほど思うように運営が出来ず、ブログの更新も滞ってしまいました。
店頭でもご注文やご依頼を多数いただき大変ありがたいと感謝しておりますが、行き届かず不快な思いをされたお客様には改めましてお詫び申し上げます。

さて6月末の夏越の払いが終わり、初夏の茶会などもひと段落となりましたので、本日は小豆と健康にまつわるお話です。

 

小豆は何で出来ている?

まず小豆の栄養成分からご説明します。

 

栄養成分表(「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より作成)

エネルギー339kcal
水分15.5g
たんぱく質20.3g
脂質2.2g
炭水化物58.7g
灰分3.3g
あずき(乾燥豆)

  

上記のように豆類の中では、カロリーはやや低めといえるのですが、大豆に比べるとたんぱく質は少なく、それほど突出したものはありません。ですが、思った以上にいろいろな成分が含まれているようです。

 

小豆とストレスの話

ここ数年、筋トレが人気ですが、食べるものについてもたんぱく質や炭水化物、脂質がどのくらいあるのか気にされる方も増えていると感じています。実際たんぱく質が多く、低カロリーなお菓子が出来ないかといったご相談もあったくらいです。
和菓子で主に使用するのは小豆(あずき)です。実は小豆は大豆と比較するとそれほどたんぱく質が多いわけでもありません。ですが豆類全般に言えることかもしれませんがまったくないというわけでもありません。小豆もたんぱく質を含んでおり、体外から摂取することでしか補えない「必須アミノ酸」を含んでおります。そしてこのたんぱく質が、疲れによるイライラといった精神的なストレスの軽減に作用する効果が期待できるとのことです。

さらにビタミンBには慢性的な疲労予防効果や自律神経を整える働きが期待できるといわれています。目に見えやすいものとして、疲労によって免疫力が低下すると起きやすい吹き出物や口内炎の予防に効果がみられるということのようです。

さて大豆に比べてたんぱく質が少ないとご説明した小豆ですが、炭水化物は多く含まれます。最近ですと炭水化物を控えた方が良いといったこともいわれております。とはいえケーキや和菓子といったお菓子は、ご褒美であったり、楽しみでもあるものですので全く食べないというのもなかなか難しく寂しいものです。
そんな小豆の炭水化物ですが、その大半が不溶性食物繊維です。これはストレスによって鈍った腸内環境を整えてくれるそうです。不溶性食物繊維全般に言えることだとは思いますが、便通を促すことでむくみの予防につながったり、不快感ストレスの解消にもつながります。そして小豆にはオリゴ糖も多く含まれることから腸内の悪玉菌の増殖を抑え、善玉菌を増やす効果が期待できます。これは腸管免疫の働きを高め、老化の防止にも関わってくるとのことです。

このように小豆はその栄養成分にはあまり注目されておりませんが、ストレスの軽減や腸内環境を整える優しい食品といえます。和菓子は、小豆の餡が命ともいえるお菓子ですので、気分転換やおやつ、デザートとして和菓子をお召し上がりいただくのも良いかも知れません。

 

小豆の「ポリフェノール」は冷え性予防にも

小豆の色からも想像されますが、小豆には「ポリフェノール」が含まれます。ポリフェノールには抗酸化作用があり、冷え性の原因のひとつでもある血液循環の悪化を正常に保つ効果が期待出来るそうです。

さらに暑さが厳しくなってきましたが、夏バテ対策に効果的といわれるサポニンを摂取することができます。特に女性の方は熱中症のリスクが高いといわれますから、サポニンに加えて汗をかくことで不足するカリウムなどのミネラルも摂取することができます。

ボディコンテストのお話となりますが、フィジークビキニで日本一にもなったことのある女性の方はおはぎ好きとしても大変有名です。食べすぎはもちろん良くはありませんが、夏バテ予防に一切れの水羊羹などは今の時期にぴったりのおやつかもしれません。

暑い夏のお菓子選びの参考になれば、大変嬉しいです。

 

注)筆者はあくまで和菓子職人です。

 

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