前回写真をつけられなかった錦玉のお菓子を二種類ご紹介します。錦玉のお菓子は大体5月頃からご用意を始めて9月くらいまででしょうか。もちろん冬場などであってもご用意することはあるのですが。
味や見た目に変化をつけるため、葛粉や卵白、ワインなど合わせたりもしますが、暑さが厳しい折ともなるとしっかりした食べ口と無色透明な無地錦玉が主になります。
8月初旬頃までの夏祭りや花火大会などで楽しませてくれる屋台の金魚釣りをイメージしてご用意したのがこちら。中の金魚は2色の練切を型抜きしたもの、水草の変わりにキウイフルーツを加えています。無地錦玉のさっぱりとした甘味にフルーツの酸味。ちょっとしたデザートを小さな主菓子の中に詰め込んでいます。
無地錦玉製 『金魚』
そしてもう一方は抽象的なお菓子。お客様に伝わるかどうか大変心配なのですが、『夕立』がモチーフになっています。夕方になるとどこからともなく雲が垂れ込め、土砂降りになったりもします。最近はゲリラ豪雨という言われ方もしているのかも知れませんが。
東雲羹製 『夕立』
材料は東雲羹といって、羊羹と卵白を使ったふわっとした食感の淡雪羹を混ぜたもの。黒い部分は波照間の黒砂糖を使った黒糖羊羹です。実はもともとは白雨という名前。意味は同じことなのですが、白雨という名前とそれなのにお菓子の半分は黒い。この取り合わせが面白いのではないかなあとおおざっぱ思っていました。しかしながらお菓子の表現が抽象的。ですのでより分かりやすい名前をということで『夕立』と致しました。
暑い時期、なかなか食欲も湧かないかもしれないのですが、目でも楽しめるひんやり冷たいお菓子をご用意します。