銘菓『下馬将軍』の銘は、江戸時代、前橋藩主であった酒井雅楽頭忠清の異名として伝わりました。下馬とは当時そこで馬をおりる場所でありました。江戸幕府の大老を務めた忠清は本来馬を下りるべきところも馬に乗ったまま通ったといわれたことからその権勢と合わせ、「下馬将軍」という異名がついたといわれています。

銘菓「下馬将軍」は戦後、地元の素材を使って銘菓を作ろうと考えた三代目が考案したものです。作成にあたってはどんなものが良いか地元の方々といろいろ相談し、当時収穫量の多かった地元の小麦を使って鶏卵煎餅「下馬将軍」が誕生しました。

販売開始にあたって、さまざまご意見をいただいた地元の方々が酒井家の菩提寺である龍海院(群馬県前橋市)で茶会を開いてくださいました。それが昭和26年のことであり、以来数十年に渡り、前橋の手土産としてご愛顧いただいております。

下馬将軍 会記
下馬将軍 会記
下馬将軍 会記

下馬将軍と前橋藩主でありました酒井家とのご縁は、戦後、銘菓「下馬将軍」を販売してからとなります。

将軍とついたお菓子であったことから、下馬将軍をお使いくださった方が徳川さまへ贈られたとのことです。贈られた徳川さまは、お菓子の名前が「下馬将軍」であることから、酒井家のことだと分かりそのまま酒井様へお菓子と一緒にお話をされたのだそうです。この話は当時週刊誌で酒井様が連載をもたれており、徳川夢声さんとの対談形式で紙面に掲載されました。

その後当店宛にお手紙を頂戴し、お付き合いが始まりました。以来、代替わりをしても酒井家の家紋入りのお菓子としてご愛顧いただいております。(下馬将軍にはお菓子、包装紙に酒井家の家紋である剣片喰(けんかたばみ)が使われております)